Vancouver Cycle Chic Films

バンクーバー在住・出身の人々の自転車のある暮らしを撮ったVancouver Cycle Chic Filmsというミニドキュメンタリーシリーズが面白い。計11本、それぞれ約2-3分の映像の主役は自転車ではなく人。でも、だからこそ、それぞれの生活の中で自転車がどんな価値を生み出しているかがよくわかる。

現時点で日本語字幕がついている5本がこちら(筆者が字幕をつけました)。

図書館司書のセシリーさん
日本に住んだこともある自転車ツアーガイドのジョッシュさん
動物虐待防止協会で働くエイミーさん
アイルランド出身の芸術家サイモンさん
バンクーバー出身、今は香港で働いているコーラさん

Cycle Chic(英語での発音は「サイクル・シーク」に近い)は元々、街にとけこむスタイリッシュな自転車ユーザーのスナップ写真を集めたブログ。世界の自転車フレンドリー都市ランキング「コペンハーゲナイズ・インデックス」で知られるCopenhagenize Design Co. のミカエル・クールビル=アンデルセンが中心になって2007年に始めたもので、特別な装備を必要としない身近な都市交通としての自転車の存在と、そうした自転車利用が人々のQOLの向上に結びついていることの再認識に貢献してきた。コペンハーゲンから世界各地の都市に広がったCycle Chicブログの一つがVancouver Cycle Chicであり、Vancouver Cycle Chic Filmsはその派生プロジェクト。

プロデューサーを務めたクリス・ブルントレットは現在、妻のメリッサと共にコンサルタント会社Modacityとして「もっと健康的で、幸福で、シンプルな移動」を広める活動を行っている。二人は2018年にネーデルラント(オランダ)のまちづくりを主題にしたBuilding the Cycling City(自転車の街のつくりかた)を出版、メリッサは2019年からネーデルラントのコンサルタント会社Mobyconで働くようになり、このため一家はデルフトに移住した。Cycle Chicブログはコペンハーゲンもバンクーバーも近年あまり活発でないようだが、誰もが当たり前に使う移動手段としての自転車、という視点は世界的に浸透が進んでいるように筆者には感じられる。

画像: “Coming Home” より。